自己点検・評価
2023年4月1日
東京平田日本語学院
本学院は、法務省出入国在留管理庁の定める日本語教育機関の告示基準に基づき、教育水準の向上を図り、日本語教育機関の目的を達成するため、本学院の運営について毎年1回、4月に自己点検・評価を実施し、運営改善に必要な措置を講じるものとする。
1. 教育の理念・目標について
〈建学の理念〉
日本語の国際化及び国際親善の促進を図り、そのための人材育成に力を注ぎ、もって日本と世界平和の発展に寄与すること
〈教育目標〉
世界各国の若者を暖かく迎え入れ、上質な日本語教育の提供はもちろんのこと、日本の文化、習慣、社会秩序、生活感覚に根差した人間形成を行い、日本、祖国、更には世界に貢献する人物としての素地をつくり上げること
〈育成人材像〉
・レベルに応じた日本語の熟達。最低でも日本国内で就労し生活が営める程度以上の語学力を持つ
・日本流の価値観、考え方、文化、習慣を深く理解し、暮らしの中で実践できる
・将来、日本・祖国・世界のために貢献する志を持つ
〈学院運営に関する基本指針〉
キーワード:「“日本でより良く生きること”のトータルコーディネート – 募集から未来まで」
・現地との地道な信頼関係構築と、システマティックな情報処理の両輪で行う募集体制の整備
・モチベーションを持って、楽しく効果的に日本語を学ぶための教育体制構築
・日本流の価値観や考え方を定着させ、日本で生きる力を育む生活指導の実施
・深く日本の文化・習慣に触れる体験の創出
・学生が将来像を描くために必要な指導、情報、機会の提供
☆副理事⾧より
我が国は世界でもっとも高齢化が進んだ国家であり、このままでは緩やかな衰退を迎えるほかありません。大幅な出生率上昇は望むべくもなく、海外人材の登用が唯一の希望といえます。海外の前途有為な若者を招き、日本流の教育を施し、日本と祖国、世界のために役立ててもらうのです。そのための教育は、技術や学術の習得にとどまらず、日本流の価値観、考え方、文化や習慣を含め伝授すべきと考えます。本学院は留学生の日本への「入口」として、その責務を果たしてゆきたいと思います。
5:達成している 4:ほぼ達成している 3:どちらともいえない 2:取り組みを検討中 1:改善が必要
評価項目 | 評価欄 |
1-1. 教育の理念・目標・育成人材像が明確に定められているか | 5 |
1-2. 教育の理念・目標・育成人材像は社会のニーズに合致しているか | 5 |
1-3. 教育の理念・目標・育成人材像が教職員・学生に周知されているか | 5 |
〈現状・具体的な取り組み/課題〉
本学の理念と目標は教職員の間で徹底され、学生への教育と指導もすべてがそれに基づいて行われている。 |
2. 運営について
評価項目 | 評価欄 |
2-1. 日本語教育機関の告示基準に適合しているか | 5 |
2-2. 教育の理念・目標に沿った運営方針や事業計画が策定されているか | 5 |
2-3. 組織運営に関する規定やシステムが整備されているか | 5 |
2-4. 受け入れようとする学生に対して、理解できる言語で情報提供を行っているか | 5 |
2-5. 情報システム化等による業務の効率化が図られているか | 5 |
2-6. 外部からの情報収集が効率的に行われ、かつ、共有化する仕組みがあるか | 5 |
〈現状・具体的な取り組み/課題〉
本学は近年、組織運営に関する各種規定を整備し、学生の募集から入国、教育、生活指導、進路指導から卒業、卒業後の支援まで、一連の流れを適正に実施できる基盤づくりを行ってきた。現在、ウェブサイトの多言語化を実施し、学生への相談体制も拡充されている。教務や留学生募集部門を中心に、関係機関からの通達や、学生の出身各国の情報は常時収集されている。また、新型コロナウイルス感染症に関しては、情報収集はもちろん、教職員が主体的に保健所との信頼関係構築に務めてきた。近隣校との協力関係のもと、教職員・学生へのワクチン接種をいち早く完了できたのは本学の誇りとするところである。 |
3. 教育活動について
評価項目 | 評価欄 |
3-1. 教育の理念・目標・育成人材像に沿った教育課程が体系的に編成されているか | 4 |
3-2. 成績評価や進級、卒業の判定基準は明確となっているか、また、適切に運用されているか | 5 |
3-3. 教員の指導力向上のための取り組みが行われているか | 4 |
3-4. 教育課程の改善のための取り組みが行われているか | 4 |
3-5. 授業開始までに学生の日本語能力を試験等により判定し、レベルに応じた適切なクラス編成を行っているか | 5 |
3-6. 教員に対して、担当するクラスの学生の学習目的、編成試験の結果、学習歴その他指導に必要な情報を伝達しているか | 5 |
3-7. 教員の能力、経験等を勘案し、適切な教員配置をしているか | 5 |
3-8. 授業記録簿及び出席簿を備え、正確に記録しているか | 5 |
3-9. 補助教材、生教材を使用する場合は出典を明らかにするとともに、著作権法に留意しているか | 4 |
3-10. 学生による授業評価を定期的に実施しているか | 5 |
〈現状・具体的な取り組み/課題〉
学生への教育活動は、小テストやJLPT対策などを実施し、学生の日本語力を向上させている。課題としては、補助教材などの改善が必要である。 |
4. 学修成果について
評価項目 | 評価欄 |
4-1. 入学から修了・卒業までの学習成績を記録・保管し、適正に管理しているか | 5 |
4-2. 修了・卒業の判定を適切に行っているか | 5 |
4-3. 学生が受験した日本留学試験、日本語能力試験等の外部試験の結果を把握しているか | 4 |
4-4. 学生の卒業後の進路を把握しているか | 5 |
〈現状・具体的な取り組み/課題〉
しっかりと学修成果について把握し、管理している。今後の改善点は、外部試験の告知をより多くしなければならないと考える。 |
5. 学生支援について
評価項目 | 評価欄 |
5-1. 学習相談や進路に対する支援体制が整備されているか | 4 |
5-2. 留学生活に関するオリエンテーションを入学直後に実施し、また、在籍者全員を対象に定期的に実施しているか | 5 |
5-3. 日本社会を理解し、適応するための取り組みを行っているか | 5 |
5-4. 住居支援を行っているか | 5 |
5-5. アルバイトに関する指導及び支援を行っているか | 5 |
5-6. 対象となる学生全員が国民健康保険に加入し、併せて留学生保険に加入しているか | 5 |
5-7. 定期的に健康診断を実施しているか | 5 |
5-8. 地方出入国在留管理局により認められた申請等取次者を配置しているか | 5 |
5-9. 入管法上の留意点について学生への伝達、指導等を定期的に行っているか | 4 |
5-10. 怪我や感染症、交通事故及び災害発生時等の緊急時における体制が整備されているか | 5 |
〈現状・具体的な取り組み/課題〉
新型コロナウイルス感染症や怪我などの対応を適切に行い、学生が安心して日本での生活を送れるように支援している。また、日本社会でのルールやマナーについても指導している。課題としては、日本語力がまだ足りない学生に対してや細かい点の指導をする際に学生の母国語等で対応しなければならず、その準備や労力が負担になっているため、今後負担を減らせるような体制づくりが必要である。 |
6. 教育環境について
評価項目 | 評価欄 |
6-1. 施設・設備が十分かつ安全に整備されているか | 5 |
6-2. 適切な教材を使用しているか | 5 |
6-3. 学習効率の向上を図るための環境整備がなされているか | 4 |
6-4. 教室内は十分な照度があり、換気がなされているとともに、語学教育に必要な遮音性が確保されているか | 5 |
6-5. 授業時間外に自習できる部屋を確保しているか | 4 |
6-6. 教育内容及び学生数に応じた図書やメディアが整備され、常時利用可能であるか | 4 |
6-7. 視聴覚教材やITを利用した授業が可能な設備や教育用機器を整備しているか | 4 |
6-8. バリアフリー対策を施しているか | 2 |
〈現状・具体的な取り組み/課題〉
学生が日本語学習に集中できる環境を整えている。バリアフリー対策については、まだ設備として整えられていないので、今後の対応が必要である。 |
7. 入学者の募集について
評価項目 | 評価欄 |
7-1. 教育内容、教育成果を含む最新、かつ、正確な学校情報が入学希望者の理解できる言語で開示されているか | 5 |
7-2. 募集活動を行う国・地域の法令を遵守した募集活動を行っているか | 5 |
7-3. 海外の募集代理人(エージェント等)に最新、かつ、正確な情報提供を行うとともに、その募集活動が適切に行われていることを把握しているか | 5 |
7-4. 入学選考基準及び方法が明確化され、適切な体制で入学選考を行っているか | 5 |
7-5. 入学志願者の学習能力、勉学意欲、経費支弁能力、日本語能力等を確認するとともに、受け入れるコースの教育内容が志願者の学習ニーズと合致することを確認しているか | 5 |
7-6. 入学にあたり納付が求められる入学金、授業料その他納付金の金額及び納付時期等の情報が明示されているか | 5 |
7-7. 関係諸法令に基づいた学費返還規定を定め公開しているか | 5 |
〈現状・具体的な取り組み/課題〉
海外のエージェントの募集活動が適切に行われているかについて把握ができていない状況がある。この点についてはキャンセル理由の詳細な聞き取りや現地のエージェント訪問を通じてできる限り把握するよう取り組んでいる。 課題として、学費の返還規定については各学生の状況が異なることから、これまでケースバイケースに対応しているが、今後は学費の返還について規定を設けHPに公開する方向で検討をしている。 |
8. 財務について
評価項目 | 評価欄 |
8-1. 財務基盤は中長期的に安定しているか | 5 |
8-2. 予算・収支計画は有効かつ妥当なものとなっているか | 5 |
8-3. 会計監査は適切に行われているか | 5 |
〈現状・具体的な取り組み/課題〉
財務基盤は設立時より安定しており、継続する中で予算・収支計画を分析したうえで、その評価を協議・執行している。会計監査は定期的に行われている。 コロナ禍で学生の入国が一時中断していた際でも、安定した財務基盤があることで、職員一体となり受け入れ態勢を整え、入国再開の際には即座に対応することができた。 課題としては、今後も収支を安定させるために必要な措置をより積極的に講じていく必要があること、また、全体としてより透明性をもつシステムを構築していく必要があることが考えられる。 |
9. 法令遵守について
評価項目 | 評価欄 |
9-1. 出入国管理及び難民認定法令及び各種関係法令等の遵守と適切な運営がなされているか | 5 |
9-2. 教職員のコンプライアンス意識を高めるための取り組みを行っているか | 5 |
9-3. 個人情報の保護のための対策をとっているか | 4 |
9-4. 出入国在留管理庁及び関係省庁等への届出、報告を遅延なく行っているか | 5 |
9-5. 自己点検の実施と改善及びその公開を適切に行っているか | 5 |
〈現状・具体的な取り組み/課題〉
法令遵守や関係諸機関への連絡・報告・届出の徹底は本学運営の根本である。教職員のコンプライアンス意識醸成のために、毎週のミーティングでコンプライアンスに関連する項目について取り扱っている。新たな個人情報保護のための取り組みとして、教職員に対し情報保全に関する誓約書を提出させることとした。本自己点検は教職員が一丸となり、議論を重ね、課題の抽出と改善活動を繰り返すことによってなされている。今後もよりよい学院運営のために継続的な自己点検活動を行ってゆく所存である。 |
10. 地域・社会貢献について
評価項目 | 評価欄 |
10-1. 教育資源や施設を活用した地域・社会貢献を行っているか | ― |
10-2. 学生のボランティア活動を奨励・支援しているか | ― |
10-3. 公開講座等を実施しているか | ― |
〈現状・具体的な取り組み/課題〉
新型コロナウイルス感染症の影響により現在は具体的に地域・社会貢献を行うことが困難である。今後、状況を見ながら可能な形で実施していく。 |